「この年齢からでも、コンサルに転職できますか」。20代の方からも、40代の方からも、同じ質問をいただきます。
結論から言うと、コンサル転職に年齢の上限はありません。40歳前後で、未経験から入る人も実際にいます。ただし、年代によって見られるものが変わり、入った後の難しさも変わります。
私たちは、戦略ファームと総合ファームで、さまざまな年齢で入ってきた人を見てきました。その経験から、年代ごとの現実をお伝えします。
第二新卒・20代のコンサル転職は、実績より考え方を見られる
社会人3年目くらいまでは、第二新卒に近い扱いになるファームが多いです。この場合は、将来性を見込んだ採用になります。前職での実績や昇進の有無は、あれば有利ですが、基本的には重視されません。見られるのは、きちんと筋道を立てて考え、動ける人かどうかです。
戦略ファームでも、社会人1年と少しで中途入社した人は何人もいます。出身はFAS、総合ファーム、メーカーの営業、人材系の会社とさまざまです。ただし、数として多いのは、2〜3年の経験を積んでから入る人です。経験が1年ほどの場合は、将来性で判断される割合が大きくなるので、学歴の比重が上がります。
この年代の方には、迷っているなら早く動くことを勧めます。社会人3年以内で入ると、新卒と同じ職位からのスタートになります。早く入っても遅く入っても出発点は同じなので、移ると決めているなら早いほうが得です。
入社後についていけるか不安だ、という声もよく聞きます。自分の頭で考える癖をつけて、主体的に仕事に取り組めば、自然と活躍できます。大手の総合ファームであれば、ある程度の力がある人が覚悟を持って入ると、働き方も周りの水準も「思ったほどではない」と感じることが多いです。
第二新卒でも、入社して数か月での転職は勧めない
新卒で入った会社に勤め始めて数か月で、転職サイトを通じて他のファームから連絡が来ることがあります。その多くは、登録している人に広く送られている求人の案内です。自分が特別に評価されているわけではない、ということは知っておいてください。
そのうえで、第二新卒でより大手のファームに移ること自体は、十分に考えてよい選択です。給与の水準だけでなく、周りの人の水準と求められる水準が上がるので、成長の速さが変わります。
ただし、入社して数か月で辞めることは勧めません。履歴書に短期間での離職が残り、その後転職するたびに、なぜそんなに早く辞めたのかを聞かれるからです。転職の面接では経歴の一貫性を見られるので、説明しにくい短期の離職は不利に働きます。
少なくとも半年は働いてから動くほうがよいです。半年あれば一定の案件経験が積め、面接で話せる経験もできます。もう少しいれば、その後も連絡を取り合える上司や同僚との関係もできます。「早くから評価されていたが、より高い環境を求めて移った」という説明は、「入って数か月で辞めた」よりもはるかに良い印象になります。
30代前半の未経験コンサル転職は、入り方で結果が変わる
30代前半は、未経験での転職が現実的にできる年代です。33歳、34歳で、未経験から入る人は珍しくありません。ただし、近年は年齢が上になるほど入りづらさが増す傾向が強くなっているので要注意です。
入社後に、年齢で肩身の狭い思いをすることは基本的にありません。総合ファームであれば、まず問題になりません。戦略ファームは、ファームによって社員の年齢層が違います。比較的年齢が上の人も自然に溶け込んでいるファームもあれば、若い人が多いファームもあります。
この年代で大事なのは、入り方です。私たちは2つのことを勧めています。
- 一つ下の職位で入る。 年齢と経験年数から、上の職位を提示されることが多い年代です。しかし、教えてもらう立場なのに、自分より下の職位の人より分からない、できないという状況は、気持ちの面でかなりきついです。実力を示せば1年ほどで上がれるので、入るときの職位にこだわる必要はありません。
- 前職の経験が生きる分野から始める。 自分がいた業界や、扱ってきた業務に近い部門に入れば、最初から土地勘のある仕事ができます。
子育てと重なる年代でもあります。戦略ファームは間違いなく激務なので、家庭との両立を重視するなら、総合ファームのほうが続けやすいです。
戦略ファームに未経験で入るなら、35歳前後が一つの目安
最上位の戦略ファームに未経験で入る場合、私たちの感覚では、35歳前後が一つの目安です。それを超えると、未経験での採用は難しくなっていきます。
この年代で入る場合は、シニアコンサルタントなど中堅の職位での入社になることが多く、年収は1,000万円台の半ばが目安です。学歴や職歴の面で問題がない人であれば、あとはケース面接の対策次第です。迷っているなら、早めに動き始めることを勧めます。ただし、焦って準備が足りないまま受けるのは避けてください。
30代後半からのコンサル転職は、専門領域での採用なら道がある
30代後半になると、一般的な採用で、未経験から戦略ファームに入るのは難しくなります。一方で、専門性を求める採用であれば道があります。
たとえば、博士号を持つ製薬企業の研究職の人や、医師の人が、30代で戦略ファームのヘルスケアを扱うチームに入る例があります。戦略ファームの中にも、年齢をあまり気にせず、30代半ばでも採用しているファームがあります。特定の領域の専門家として採用する枠を設けているファームもあります。ただし、その領域の人材をそのときに求めているかどうかは、時期によって変わります。実際に受けてみないと分からない面があります。
総合ファームであれば、30代後半でも、未経験で入れる可能性は十分にあります。
30代後半・40代で未経験からコンサルに入るときの難しさ
30代後半から40代前半で、未経験から移ってくる人には、2つの型があります。
1つは、ファームの側から請われて入る人です。若くして要職にあり、自分の力でお客さんを連れてこられる人です。数は少ないですが、実際にいます。ITなど、年次に関係なく上の立場に就きやすい業界の出身者に多いです。
もう1つは、通常の選考を経て入る人で、こちらが大半です。
ただし、難しいポイントもあります。
- 同僚と上司の大半が、年下になる。 コンサルは率直に物を言う文化です。年上であっても、良くない資料には率直に指摘が来ます。それに耐えられるかどうかです。
- 前職の経験が、かえって邪魔をする。 経験がある分、「前職ではこうだった」「この業界ではこうなのだ」と言いたくなります。
年次をあまり気にしないコンサルファームであっても、明らかに年上の人には周りが気を遣います。それを理解したうえで、年下の上司や先輩に気持ちよく接し、素直に教えを請えるか。入る前に、自分に問いかけてください。
40代で入る場合は、もう一つ注意があります。年齢に合わせて、管理職に近い職位を提示されることが多いのです。上の職位での入社は、最初から求められる水準が高く、つまずく最大の原因です。コンサルの管理職は自分でも手を動かす立場なので、まず一人の担当者として部下を上回っていなければなりません。相応の覚悟を持って入ることを勧めます。
また、うまくいかなかった場合に備えて、現職を円満に離れ、戻れる道を残しておくことも大切です。
30代でコンサルに転職した場合、家族との時間はどれくらい取れるか
30代で転職を考える方からは、家族との時間を心配する声もよくいただきます。忙しい仕事であることは前提ですが、意外と確保できている人が多いです。
保育園の送り迎えをしている人は、実際にいます。土日も、すべてがなくなるというより、一部が仕事になるという感覚です。平日の朝の時間も、案件によっては取れることが多いです。
ただし、案件が炎上している時期には、家族との時間が大きく削られることもあります。繁忙期には、平日の深夜まで仕事が続くこともあります。入社前に、家族の理解と協力をしっかり得ておくことが、入社後を乗り切るための最も大切な準備です。
コンサルで長く続けられる人の共通点
年齢に関係なく、コンサルで長く続く人には共通点があります。
- 生活の中心に、当たり前のように仕事を置き続けられる人。
- 真面目すぎず、適度に力を抜ける人。
- 優秀な部下を集めて仕事を任せ、自分の負荷を下げられる人。
総合ファームは、戦略ファームに比べれば、長く働く人が多いです。求められる水準も、業務の量も、続けられないほどではありません。
年齢よりも、コンサル転職の前に確かめたいこと
年齢そのものより、次の3つのほうが結果を左右します。
- どの職位で入るか。
- 前職の経験が生きる分野か。
- 年下に教わることを受け入れられるか。
この3つが整っていれば、30代後半からでも道はあります。逆に、整っていなければ、20代でも苦労します。