戦略ファームの選考で、最後に待っているのがパートナーによる面接です。ここまで進んだ方から、「最終面接では何が違うのですか」と聞かれます。あわせて多いのが、「英語ができないと、戦略ファームは無理ですか」という質問です。

この記事では、最終面接で見られる2つのことと、英語がどこまで必要かを説明します。私たちのうち1人は、戦略ファームの選考を一通り受けて入社しました。その経験をもとに書いています。

戦略コンサルの最終面接は、それまでの面接と2点が違う

パートナー面接は、それまでの面接と似ている部分もあります。ただ、明確に違う点が2つあります。

違い1:志望動機と入社後の姿を深く聞かれる

パートナーは、採用を最終的に決める立場です。そのため、「この人は本当にこのファームでやっていく気があるのか」を見ています。

具体的には、次の流れを聞かれます。

  • 今の仕事で、どんな経験を積んできたか。
  • そのうえで、なぜコンサルなのか。
  • 入社してから、どういうコンサルタントを目指したいのか。

この流れを、迷いなく語れるかどうかです。覚悟があるか、話に一貫性があるかが見られます。それまでの面接よりも、深く聞かれると考えてください。

違い2:ケースで一歩踏み込んだ問いが来る

最終面接まで進んでいる時点で、基本的なケースは解けるという前提になっています。そのため、パートナーは、そこから一歩踏み込んだ質問をしてくることがあります。

たとえば、売上を伸ばす施策を議論している中で、少し飛躍のある新しい発想を求められます。あるいは、「1年で売上を劇的に伸ばす方法があるとしたら何か」といった、思考実験のような問いが来ます。

ここで大事なのは、通常のケースと同じです。発想の奇抜さではなく、出した案に対して根拠を言えるかどうかです。「こういう施策が有効だと思います。なぜなら、こういう理由だからです」という形で、納得できる答えができれば大丈夫です。

最終面接まで進んだということは、内定まであと一歩のところにいるということです。悔いのないよう、志望動機とケースの両方を準備してください。

最終面接の前に、リファレンスチェックを求められたら

ファームによっては、最終面接の前後に、リファレンスチェックを求められることがあります。前職の上司や同僚に、あなたの仕事ぶりを確かめるものです。

頼める人がいなくて困る方もいます。しかし、事情があって頼めないからといって、すぐに不合格になるとは限りません。ファームの側も、在籍中の会社の人に頼みにくい事情は理解しています。事情を正直に話して相談すれば、対応してもらえることもあります。最終面接まで来て、ここで諦める必要はありません。

戦略コンサルで英語がどこまで必要かは、ファームによってまったく違う

英語については、ファームによって求められる水準が大きく違います。「戦略ファームには英語が必須だ」と一括りにするのは誤りです。選考の形で分けると、3つの型があります。

  1. 英語での面接が、選考の中心に組み込まれているファーム。 外国人の面接官との面接が1時間ほどあります。英語で書かれた資料を見ながら計算してケースを解き、数字の根拠を英語で説明します。経歴についての質問も英語です。半年ほどの留学経験があるか、仕事で日常的に英語を使ってきた人でないと厳しいです。
  2. 英語での面接はあるが、求められる水準はそこまで高くないファーム。 英語を母語とする人と討論できる水準までは求められません。自分の考えを、英語である程度筋道立てて伝えられれば通ります。対策をすれば対応できます。ただし、まったく話せない状態では難しいです。
  3. 英語での面接がないファーム。 英語力は、合否にほぼ影響しません。

英語が苦手だからといって、戦略ファームをあきらめる必要はありません。どのファームがどの型に当たるかは、面談でお伝えします。

英語面接の対策は、英文の準備と会話の練習

英語での面接があるファームを受ける場合は、準備の仕方があります。

まず、ケースでよく使う英語の言い回しと、経歴や志望動機についての受け答えを、あらかじめ英文で用意しておきます。そのうえで、オンライン英会話などで、実際に口に出して話す練習を重ねてください。用意した英文を、自分の言葉として話せる状態にしておくことが大事です。

TOEICの点数は、英語力の判断材料にならない

「TOEICの点数はあるのですが」という方がいます。しかし、外資系のファームでは、TOEICの点数はほとんど意味を持ちません。900点あっても話せない人は大勢いるからです。TOEICで900点以上を取り、英検1級を持っていても、入社後に英語の会議が聞き取れずに苦労した、という人もいます。

問われるのは、英語で議論ができるかどうかだけです。英語での面接があるファームを受けるなら、点数を上げることより、英語で考えを説明する練習に時間を使ってください。

戦略コンサルに入社後も、英語を使わない案件はある

入社後についても触れておきます。英語での面接がないファームでは、国内の工場の改革や、国内の大企業に入り込んで支援する案件が多くあります。クライアントもチームも全員が日本人なので、英語を使う場面がほとんどありません。入る案件を選べば、英語が得意でなくても十分にやっていけます。

もちろん、海外が関わる案件をやりたいのであれば、英語は必須です。ただ、それは入社してから、必要になった時点で鍛えても間に合います。忙しい中でも、1日1時間ほどであれば、睡眠を削らなくても時間は作れます。

また、英語を重視するファームの中にも、英語を求めずに採用している部門があります。クライアントの現場に入り込んで、実行を支援する部門です。英語が壁になっている人は、こうした入り口も検討する価値があります。

英語よりも先に、ケース対策に力を注ぐ

英語に不安がある人ほど、英語の勉強に時間を使いたくなります。しかし、戦略ファームの合否を最も大きく左右するのは、ケース面接です。

英語での面接がないファームや、求められる水準がそれほど高くないファームを受けるのであれば、まずはケース対策に全力を注いでください。

最終面接で落ちても、中途で再挑戦できる

新卒の選考で、ケース面接は通ったものの、最終面接で落ちたという方もいます。その場合でも、戦略ファームをあきらめる必要はありません。

別のファームで2〜3年経験を積めば、中途採用で再挑戦する道は十分にあります。ケース面接を通過できる力があることは、すでに示せているからです。