「学歴に自信がないのですが、コンサルに入れますか」。聞きにくい質問ですが、面談ではよくいただきます。あいまいに答えても役に立たないので、率直に書きます。

結論から言うと、学歴は関係します。特に戦略ファームでは、はっきり影響します。ただし、中途採用は新卒とは基準が違います。学歴だけで決まるのではなく、学歴と職歴を合わせて判断されます。そして、書類が通った後は、面接の出来で決まります。

戦略コンサルの中途採用は、学歴の影響が大きい

戦略ファームに高学歴の人が多いのは事実です。早慶、旧帝大、海外の大学の出身者が大半を占めています。新卒採用では、これらの大学が事実上の目安になっています。

戦略ファームの採用で高学歴として見られやすいのは、一般的には、東京大学、京都大学、一橋大学、東京工業大学(現在の東京科学大学)、早慶の上位学部、旧帝大あたりまでです。それ以外の国立大学の出身でも、職歴と合わせて評価されることを前提に、戦略ファームに入る可能性は十分にあります。

中途採用は、新卒とは見方が違います。学歴だけではなく、学歴と職歴を合わせて判断されます。学歴がこの目安に届いていなくても、職歴が強ければ書類は通ります。

実際に、戦略ファームには、この目安に届かない大学の出身者も在籍しています。多くはありませんが、確実にいます。そして、その人たちはほぼ全員が中途入社で、大手の総合ファームの出身者が多いです。

社会人経験が浅いほど、学歴の比重は上がる

社会人1年から3年ほどで戦略ファームを受ける場合は、将来性を見込んだ採用になります。職歴で判断する材料が少ないので、その分、学歴が重く見られます。早慶の上位学部や旧帝大以上であれば、この段階でも十分に見てもらえます。

そうでない場合は、3〜4年ほど経験を積んでから受けるほうが通りやすいです。職歴という判断材料が増えるからです。

学歴に不安がある人が戦略コンサルを目指す3つの道

学歴に不安がある人が戦略ファームを目指すなら、道は大きく3つあります。

1. 大手の総合ファームで経験を積んでから移る

私たちが最も勧めているのは、二段階で進む道です。まず大手の総合ファームに入り、そこで数年の経験を積んでから、戦略ファームに移ります。

中途採用では、コンサルでの経験という実績で評価してもらえるので、新卒のときよりも格段に入りやすくなります。大手の総合ファームが強いのは、案件の内容や求められる力が、戦略ファームと重なる部分が多いからです。面接官も総合ファームでの経歴をある程度理解できるので、書類の段階で落とされにくいです。

2. ビジネススクールや海外の大学院で学歴を補う

大学院に進んで、学歴を補う道もあります。国内であれば一橋大学や慶應義塾大学のビジネススクール、あるいは海外の大学院です。こうした学位を持つと、戦略ファームの書類が通りやすくなる傾向があります。海外の大学院を出たことをきっかけに、戦略ファームに入った人もいます。

事業会社から戦略ファームに移るために、MBAを取る人もいます。経営の基礎を体系的に学べるので、入社後の仕事にも生きます。ただし、時間と費用がかかるので、目的がはっきりしている場合の選択肢です。

3. パートナーに近い職位で請われて移る

数は少ないですが、別の道もあります。今いるファームでパートナーに近い職位まで上がり、自分のクライアントを持った状態で、請われて移る形です。この場合は、学歴に関係なく入っている人がいます。ただし、これは例外的な道です。

なお、書類が通るかどうかには、その時々の採用状況や運の要素もあります。戦略ファームを受けるなら、1社に絞らず、できるだけ幅広く応募することを勧めます。

総合コンサルは、戦略コンサルほど学歴で絞られない

総合ファームは、採用する人数が戦略ファームよりずっと多いです。その分、学歴の目線は戦略ファームほど厳しくありません。前職での経験と、面接での受け答えが、より大きな比重を占めます。

とはいえ、まったく関係がないわけではありません。学歴に大きな不安がある場合は、大手のファームの選考は厳しくなり、受かる先が限られることがあります。その場合でも、未経験でコンサルに入るなら、できるだけ名前の通った、規模のあるファームを選んでください。その後に業界の中で転職するにも、業界の外に出るにも、最初のファームの規模と知名度は影響します。

理系の大学院を出た人は、コンサル転職で有利になる

学歴の中身という点では、理系の大学院を出た人は、新卒でも中途でも有利です。私たちの経験でも、一緒に働いて期待外れだった人がほとんどいません。理由は3つあります。

  • 考え方の土台がある。 先行研究を調べ、仮説を立て、実験で検証し、結果を考察する。この進め方は、コンサルの仕事の進め方とほぼ同じです。
  • 数字に抵抗がない。 市場規模の推定や財務の分析など、数字を扱う場面で止まることがありません。
  • 構造立てて書く訓練を受けている。 論文を書き、何度も直された経験は、コンサルの資料作成とレビューにそのまま生きます。

メーカーの研究開発部門やIT企業の技術職から、戦略ファームに移る人は増えています。製造業や技術の領域の案件が増えており、技術の中身を理解できるコンサルタントが求められているからです。

書類が通れば、学歴に関係なくケース面接で決まる

学歴が影響するのは、主に書類選考の段階です。書類が通れば、そこから先は基本的に面接の出来で決まります。

ケース面接では、経歴による下駄はありません。どれだけ経歴が良くても、背景からだらだらと話し始めたり、面接官からの指摘にうまく返せなかったりすれば落ちます。その意味で、ケース面接は公平です。

逆に言えば、学歴と職歴に問題がない人は、書類で落ちることはまずありません。たとえば、旧帝大を出て大手メーカーでマーケティングと海外駐在を経験した、という経歴であれば、あとはケース面接の出来次第です。

戦略ファームのケース面接は、地頭だけで通るものではありません。申し分のない経歴の人が、準備をせずに受けて、全部落ちる例を何度も見てきました。ケース面接には独特の作法があり、それを知らなければ通りません。逆に、一定の学歴がある人であれば、そこから先は対策の量と質でほぼ決まります。

学歴は変えられませんが、職歴と面接の準備は、これから変えられます。