「コンサルに転職したら、年収はどれくらいになりますか」。面談でほぼ必ず聞かれる質問です。

先に結論を言うと、コンサルの年収は職位で決まります。前職の年収や年齢ではありません。そのため、入社時の職位と、その後どれだけ早く昇進できるかで、年収は大きく変わります。

私たち2人は、戦略ファームと総合ファームの出身です。それぞれの経験から、年収の目安と、昇進にかかる年数をお伝えします。なお、個別のファームの水準は会社によって差があるので、ここでは全体の相場として読んでください。

コンサルの年収は職位で決まり、前職の年収はあまり考慮されない

コンサルファームの給与は、職位に紐づいた体系になっています。中途で入る場合、前職の年収も多少は考慮されますが、基本は「どの職位で入るか」です。

そのため、前職で高い年収をもらっていた人は、入社する職位によっては年収が下がります。総合商社などから移る場合に、入社直後の年収が下がる例は実際にあります。逆に、前職の年収が低かった人は、入社しただけで大きく上がることがあります。

戦略コンサルの年収の目安:新卒入社と中途入社

戦略ファームに新卒で入った人は、3年目で1,000万〜1,500万円、7年目で2,000万〜2,500万円が目安です。ただし、7年目まで続けている人は少なく、その頃には事業会社やスタートアップに移っている人が多いです。

中途で入る場合は、社会人としての経験年数で入社時の職位が決まります。

  • 社会人経験1〜3年:新卒と同じ職位からのスタートになります。
  • 社会人経験4〜10年:年収900万〜1,000万円からのスタートが目安です。
  • 社会人経験10年以上、または海外MBAの取得者:年収1,400万〜1,700万円からのスタートが目安です。

総合コンサルの年収の目安:マネージャーで1,200万〜1,400万円

総合ファームでは、マネージャーで年収1,200万〜1,400万円ほどが中心です。その上のシニアマネージャーになると、2,000万円が視野に入ってきます。

未経験で入った場合の上がり方の例を挙げます。私たちのうち1人は、27歳のときに年収600万円弱で、未経験から総合ファームに入りました。2年後の年収は1,200万円ぐらいでした。20代のうちに1,000万円に届くことは、中途で入った人でも普通にあります。

ただし、これはビジネスコンサルタントの例です。同じファームでも、開発を担当する職種などでは、同じようには上がりません。

担当する業界でコンサルの給与は変わるのか

「担当する業界によって、給与は変わりますか」という質問もいただきます。戦略でも、ビジネスコンサルでも、ITでも、担当する業界は給与に関係しません。給与を決めるのは職位です。

ただし、上の職位になって、自分の売上が報酬に関わるようになると、事情が変わります。大きな金額の案件がある領域を担当している人のほうが、有利になります。

給与の決まり方は、ファームによっても違います。成果に連動する部分の割合が大きいファームでは、同じ職位でも、人によって年収に大きな差がつきます。入社を考えているファームがどちらの型なのかは、確かめておく価値があります。

コンサルの昇進にかかる年数:戦略と総合の違い

年収を決めるのは職位なので、昇進の速さがそのまま年収の伸びになります。

戦略ファームでは、1つの職位にいる期間は、早い人で1年から1年半、通常は2年ほどです。ただし、未経験でいきなり上の職位で入った人は、昇進に時間がかかることが多く、昇進そのものが難しいこともあります。

総合ファームでは、1つの職位にいる期間は3年までが目安です。それ以上かかると遅いという印象になります。一方で、3〜4年で2つ職位が上がる人もいます。新卒で入った人がマネージャーになるまでは、平均して6〜8年です。そこまで残る人は、感覚としては4割ほどです。

総合ファームは、戦略ファームに比べると競争が緩やかです。普通に働き続けていれば、多くの人がマネージャー、あるいはシニアマネージャーまでは上がれます。30歳でシニアマネージャーになる人もいるので、早く上がる人にとっての上振れは大きいです。

コンサルで昇進が早い人の特徴

戦略ファームで昇進が早いのは、コンサル経験者です。総合ファームや他の戦略ファームから来た人は、1年ちょっとで昇進することが多いです。

未経験で早く昇進する人は、前職の経験をそのまま生かしているわけではありません。構造化して考える、仮説を持って進めるといった考え方を、どれだけ早く身につけられるかに尽きます。前職の頃から自然にそういう考え方をしてきた人は早く、そうでない人は考え方を作り替える時間が必要になります。

総合ファームでは、言われたことを期日までにきちんとやり、指摘を素直に受け取って改善する。これができれば普通に昇進します。昇進できない人は、能力よりも姿勢の問題でつまずいていることが大半です。

コンサルの年収を他の業界と比べるとどうか

日系の大手金融機関などと比べると、早く昇進する人の年収はコンサルのほうが高くなります。一方で、全員の真ん中の水準で比べると、安定して上がっていく日系大手のほうが高い場合もあります。コンサルは、昇進の速さによって差が大きく開く仕事です。

年収の上限という点では、コンサルに分があります。40歳までに2,000万円以上を目指すのであれば、日系の事業会社では難しく、コンサルであれば転職から5〜8年ほどで届く可能性があります。

平均の給与で業界を比べることには、あまり意味がありません。コンサルは、実力に自信のある人が入り、昇進を重ねていく業界だからです。日系の大企業の部長は年収が高いですが、そこまで上がれる人はごく一部です。それに比べると、総合ファームで上の職位に就くほうが、たどり着ける可能性は高いというのが、両方を経験した私たちの実感です。

年収だけでコンサル転職を決めないために

年収が高い理由の一つは、労働時間が長いことです。同じ年収でも、ファームや部門、職位によって働き方はかなり違います。

入社時の年収にこだわりすぎないことも大事です。内定のときの年収は、業界の水準から大きく外れていなければ、誤差だと考えてください。交渉するよりも、次の2つを確かめるほうが役に立ちます。

  • 力のある人が、どれくらいの速さで昇進した実績があるか。
  • 昇進したときに、年収がどれくらい上がるか。

すでにコンサルで働いている人が、他のファームから今より高い年収を提示されることもあります。昇進が近い時期であれば、その差は昇進すればすぐに埋まります。目先の年収だけで動かないほうがよいです。

また、入社時の年収を上げようとして、無理に高い職位で入ることは勧めません。入社後に苦しくなり、結果として昇進が遅れる人が多いからです。この点は、別の記事で詳しく書いています。